ベトナム戦争

    
 
 

 ベトナムは、他のアジアの国と全く違います。
 何と言っても、アメリカに勝った国ですからね。

 ベトナム戦争をオンタイムで見て来た私達の世代ですが、
 実際何が起こっているかは、あまり知りませんでした。
 世界のどこかで戦争しているのは、
 普通の事だと思っていました。
 私はプラトーンを見るまでは、
 そんなすさまじい戦争だとは知りませんでした。

 イラン戦争くらいにしか捉えていませんでしたが、
 アメリカは本気で戦っていたのですな。
 枯れ葉剤まで蒔いて、戦ったのですな。
 そのアメリカに勝ったベトナムは、本当にすごい。
 それだけはリスペクトしてやみません。
 
 戦後世代の私達は、
 「こんな日本がアメリカに勝てるはずなかった」
 と、教えられて育ちました。
 尊王攘夷では、「こんな日本は開国しかない。」です。
 でも、ベトナムは勝ったわけだから、
 やっぱ「小よく大を制す」のです。
 神風が吹いてモンゴルを追いやったように、
 人は奇跡を信じて大国に挑んでしまうのでしょう。

 アメリカ軍に「ベトコンはどこにもいないが、どこにでもいる」
 と言わしめただけあって、まさに人戦。
 トンネルの中で這いつくばって、
 アメリカの不発弾を解体し、手榴弾に作り替えた、
 とは知りませんでした。
 タイヤを解体し、サンダルに作り替えて、
 ヒタヒタと走ったんだから、あっぱれ、です。

 ベトナムが勝ってから、35年たちました。
 今、40歳以下の人は、戦争を知らない世代だそうです。
 そして、今のベトナム人は、アメリカが大好きらしいから、
 皮肉なもんです。
 
 しかし、35年もたって、
 未だインフラが整備されていません。
 サイゴンには、電車も地下鉄も走っていません。
 人々は、スコールが来ても、
 カッパをかぶって、バイクにまたがって移動します。

 日本の戦後35年=1980年を思うと、雲泥の差です。
 負けるが勝ち、だったかもしれません。
 日本の戦後復興は、進駐軍に感謝しないといけませんな。  

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